とうとう11巻。時に西暦250年くらいの頃。
この巻で描かれているのは晩年を迎えた孫権と呉の混乱、そして司馬懿のクーデーター。
各国が内紛にあけくれる、そんな時期であり、ひたすら政争の日々が描かれる。
これは三国鼎立による膠着状態によって大規模な軍略が後退した結果であり、ある意味、平和である、と言えなくもない。
しかし、この頃の魏呉蜀はそれぞれの国が成熟していくのではなく、徐々に弱体化していくわけだから、それはもう、なんともいえない過程である。
帯に記されているのは、
「孫権、老懶(ろうらん)で国を害す」
ときたもんだ。
結局、孫権という人はどう評価すればいいのだろう。
個人的には孫権は嫌いなんだけど。だって酒乱だから。
- 作者: 宮城谷昌光
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2012/09/01
- メディア: 単行本
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孫権の死によって三国志初期の英雄たちは完全に表舞台から姿を消したわけだけど、諸葛恪、諸葛誕、〓丘倹(かんきゅうけん)、訒艾、鍾会、そして司馬師など、今後の展開を担う人物たちも登場してくる。
物語完結まで、まだあと数年は楽しみが続く。
文藝春秋での連載はまだ続いているしね。