ぺーぺーぷーぷーな日々

Claris FileMaker と戯れる日々です。

三国志(第十巻):宮城谷昌光

それにしても著者の孫権に対する評価は辛い。
おかげで私、すっかり孫権が嫌いになりました(笑)。


三国志〈第10巻〉

三国志〈第10巻〉

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この巻にて諸葛亮が陣没。

今後がどのように描かれるのか、についての期待と不安


三国志は「曹操に始まり孔明に終わる」といわれたりもしますが、宮城谷さんはこの小説の終わりをどこに設定しているのでしょうか。
想像するに、「蜀」の滅亡で終わるわけがなく、きっと「晋」一国に統一されるまで描くおつもりであろうと勝手に期待するわけですが、そうなれば陸抗(りくこう)羊〓(ようこ)杜預(どよ)など、これまであまり知る機会のなかった人物も読めるわけで、やはり今後とも楽しみではあります。


とはいえ、今回の孫権についてのエピソードのように、次第に佞臣がはびこり、それを重用してしまう君主といった構図や、曹爽のように何の実績も実力もない人物が大将軍に抜擢されたりするようになるあたり、実力以外の面で台頭した者たちによる宮廷内での政争というつまらない場面に字数が割かれるようになると、それじゃあやっぱりつまらん、と思わなくもありません。


また、戦争形態の進歩変化という点においては、指揮官の采配さらに戦略軍略戦術が重要視されるように変わってきており、三国志初期のように一武将(例えば呂布)が戦局や勝敗を左右するような合戦レベルでは既になくなってきているわけであって、この傾向は戦場という場面に限られた話ではなく、政治的な場面においても個々の人物が躍動するような高揚感は次第になくなっていくのかもしれません。


なんて言ってると興味がなさそうにみえるかもしれませんが、いや、それでも今後とも続きをぜひぜひ読みたい。

倭国についても気になる。


この巻の中でも触れられていますが、司馬懿朝鮮半島北部の公孫淵を討滅した頃、邪馬台国からの遣いが魏に朝貢しています。


このタイミングの良さはなんなのか?


つまりは邪馬台国には中国、朝鮮半島、さらにはアジアの情勢についての知識や情報があったのだろう、と考えられるわけですが、そのことについて多少の想像を働かせてみるのも面白い。