ぺーぺーぷーぷーな日々

Claris FileMaker と戯れる日々です。

実に素朴なシステムで作業時間を毎週十数時間短縮しました

まるで誇大広告みたいなタイトルですけど。


以下、この2,3ヶ月の間にFileMakerで実現してきた、うちの職場での実例です。

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ここ2,3ヶ月、地味な業務改善に地道に取り組んでおりました。
用いているのは、FileMaker の初歩的な手法です。初歩的な手法であっても、FileMakerで改善できる事例が現場には多いものです。逆にいうと、残念な事務処理の事例が現場にはまだまだ多いのです。


今回取り組んだのは、

  1. 画像や文書ファイルの管理(ファイルパスで参照)
  2. 病衣やオムツなどの払出管理
  3. 定型書式への差し込み印刷FileMakerで「差し込み印刷」とは呼ばないけど)

これらは自分が過去に取り組んできたことの延長です。
あまり診療情報に関わる分野でもありません。


今回も特別難しいことは何もしていない。
現場との打ち合わせも、必要な時に、必要な人と、必要な箇所について打ち合わせただけ。あとは FileMaker で普通にデータベースを組んだだけです。


その程度の取り組みであっても、毎週十数時間かかっていた事務処理作業を簡略化出来たりするわけです。FileMaker があれば。


自分で作るのが難しければプロの方に依頼してもいいと思う。
だって、残業なしで効率よく仕事できるようになるんですぜ。すぐに元は取れるはず。


作ったあとは、現場の方々に、


「このシステムは自分たちが作って運用しているんだ」


という錯覚を与えていこうと思います(笑)。そうすれば、後は勝手に回っていくものです。



以下、個別の案件について。

画像や文書ファイルの管理


実は以前から、文書DBには取り組んでいました。

パスを指定すれば、FileMakerから直接、様々なファイルやフォルダを開くことができるんですね。
これは便利だなあ。

変数、ファイルパス、URLで開く、をようやく使い始め。 - ぺーぺーぷーぷーな日々


今回、なんとか(自分なりに)ファイルパスを扱えるようになりまして、現在はFileMakerから、就業規則のような文書や様々な様式、あるいは物品の画像などをファイルサーバーに絶賛投げ込み中です。職場内の文書の7割方は投げ込みが完了しました。


これにより、各部署から「あの文書が欲しい」とか「様式をコピーしてくれ」なんていう依頼はほとんど無くなります。
事務部にとっても現場にとっても、これほど楽なことはない。


払出履歴の管理


うちの職場では入院中の患者様から、実費として、オムツ、クリーニング、病衣の貸し出し代金等を請求させていただいております。


これまで、これら払出履歴の管理方法は基本的には手書き、そして各病棟でバラバラでした。それらを医事課が集計していたわけですが、今回、これらの請求処理を全病棟を統一してデータベース化しました。
払い出し管理の要点は、開始日、終了日、数量といった項目です。これらをしっかり確認出来ればいい。あとは患者基本情報や必要に応じて入退院履歴と連動させるだけ。


うちの場合、現場の看護・介護職の方々が直接端末に打ち込めるわけではないので(端末も足らんし)、記入用の様式を別途用意する必要がありました。そういった様式もFileMakerから出力できるようにセット。後は、記入の仕方や伝達方法や入力方法などを実情に合わせて現場と打ち合わせ。来月あたりから、これらについては全病棟で一括した処理が可能になります。


導入に当たっての打ち合わせは、短時間の簡単な打ち合わせを繰り返してテーブル、フィールドに起こしていく。
後は入力・閲覧画面や印刷機能を用意しておく。レイアウトは大抵、以前に作ったシステムからの流用(笑)。


もちろん、業務改善委員会とか準備委員会なんて立ち上げてはおりませぬ。


ちなみに、病衣に関しては下記の画像のような感じで手書きで管理されていたとのこと。
私には当初、理解不能でしたけれども。

定型書式への差し込み印刷など


うちではまだまだ紙カルテだし、記入用紙に手書きでチェックしたり、書きこんでいくのが通常のスタイル。
タブレット端末を持ち歩くのは、もう少し先だ。


というわけで、いろんな記入様式に予め「患者番号・氏名・性別・年齢、その他基本情報」が予め印刷されていると、それだけでも楽になります。



各様式を印刷しやすいように、今回改めて印刷指定画面も作り直しました。
(デザインは総務課の女性が担当)。


WordやExcelで作られていた様式をいくつか FileMaker に置き換えただけで、半日かかっていた業務が無くなってしまったということでした。

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と、こんな感じで素朴に使っても、FileMakerなら絶大な効果があげられますよ、というお話でした。