ぺーぺーぷーぷーな日々

Claris FileMaker と戯れる日々です。

東京での研修回顧

先週末、日本ユーザーメード医療 IT 研究会の東京イベントに参加してきました。


主な内容は都立広尾病院で開発・運用されている自作のFileMaker(FM)システムの紹介。
基幹となる電子カルテがあり、そのデータとFMで連動させて、データをFMで加工、蓄積、運用、分析に利用する、というもの等でした。


結論から言うと、


内容が高度すぎて、さっぱりわからん。


という感じでしたが、
FileMakerでここまでやれるのか、
というのと、
やっぱり作り手の思考回路がそのままシステムに反映されるよな、
と改めて思った次第です。


あと、分散処理がエヴァンゲリオンのマギシステムみたい。

紹介内容の一部(私のメモ書き)

その後のメーリングリストでのやりとりも参考にしながら内容を書いてみます。
もちろん全ては書ききれないのですが。


具体的に紹介された機能としては、電子カルテに逐次入力されていく診療記録の内容をFMで自動解析するという機能で、例えば、


その日の外来患者における「発熱、咳、、下痢、腹痛」の件数を


リアルタイムでグラフ化して表示して、


それによって、「何らかの感染症が発生しているのではないか?」といったことを把握することができるようになる、といった機能が紹介されました。


ただ、この機能の重要点である「記録を自動解析するための計算式」や「電子カルテからFMにデータを受け渡す仕組み」といったことまでは、残念ながら詳しく質問することができませんでした。
(技術的に高度であり、また電子カルテ業者と共同で取り組まなければ実現できない仕組みかとも思います。)


その他、技術的な話としてリレーショナルデータベース(RDB)の仕組みに頼らず、「Data CUBE」を構築した方が良い、と言ったことに話が及んだのですが、この点については私たちも含めて参加者のほとんどが理解不能?な話だったようです。
理解できなかったのが私だけじゃなくてちょっと安心。


「Data CUBE」という考え方を私なりに解釈すると、「後々使うデータを、予め加工・生成して蓄積しておく」というもので、演者の山本先生は、「医師は「何が必要な情報」であるのかは理解できる」わけだから、

「私たちEUCをする現場の人間は、ユーザーであり、設計者でもあるため、実はこの検索や集計があらかじめ予想できます。したがって、予想できる集計にたいしてのMOLAPの構築は、それほど難しい問題ではないと私は考えます。」
メーリングリストより一部引用)


といったことを話していらっしゃいました。


そのほか、FMから自動的に、PHSにダイヤルして警告を音声で伝える機能なども紹介していただきました。
FMから警告を発することで、その後のコミュニケーションを促すという考え方とその仕組み。
凄いなあ。

電子カルテの情報を加工する。

私の勤め先には電子カルテは無いので想像するしかないのですが、今回のお話から感じたことは、


どうやら現状では、電子カルテの情報を有効利用するためには、自分なりに加工しなければならないらしい。


ということです。


必ずしも現状の電子カルテは、記載情報の後利用について十分に考慮されているわけでは無いらしい。
だから、今回のような「使えるものにするための技術」が必要になってきてしまう。
これは一見、不可思議な話だよな、と感じてしまいます。


やはり、どういう情報を、どのような形で欲しいか、という点については医療従事者がしっかりと考えて要求する必要があるんでしょうけど、それらをしっかり伝えられていないものだから、蓄積されるデータも所詮はゴミの山になっていく、という現状があるのかも知れず、または、いろんな医療従事者のいろんな要望がありすぎて統一されていないということもあるかもしれません。


今のところ、基幹として電子カルテを運用しつつ、その周辺で現場がフレキシブルに構築できるFileMakerは、やっぱり有用なツール、といえそうです。

最後にお礼

山本 先生、吉田 先生はじめ、J-SUMMITS関係者の皆様。
今回のような会を開催していただき、ありがとうございました。
私は今回は懇親会に参加できなかったのですが、次の機会にはぜひ参加させていただきたいと思っております。
今後ともよろしくお願いいたします。


(つぶやき)
ああ、それにしても相変わらず研修内容もコンパクトにまとめられないなあ。