ぺーぺーぷーぷーな日々

Claris FileMaker と戯れる日々です。

先生方による経営

大学の経営

10日ほど前の友人の日記に、こういうのがありました。

4年前のロースクール設立ラッシュの時に、法学部を有するほとんどの大学が手を挙げ、または挙げざるえない状況に立たされたが、今日改めて考えてみるとロースクールを擁する方向ではなく、基礎法に特化した「変わった」大学があってもよかったのではないか。九州大学では政治学コースはなくなったそうで、大学の法学部から「実務に役に立たない」という理由で基礎法や政治学のスタッフが削られていく。
大学の法学教育はどこに向かうのか:蟹索庵日誌

この記事から私が勝手に思い出したのが、4ヶ月ほど前の内田樹さんのブログで

薬学部を作れと大学経営者を煽ったのは外資系のコンサルである。
「これからは薬学部の時代。6年制なので、授業料も5割り増しでゲットできる」とあちこちの大学に「貴学のためだけのもうけ話」を売り込んで歩いた。
そして、実に多くの大学がそれにひっかかった。
だからこうなることは目に見えていたのである。
「こうなる」というのは薬学部の定員割れである。
ユニバーシティ・コン - 内田樹の研究室

どちらも大学の先生方による経営なんだけど、想像するに、ここでの先生方による経営戦略とは「行政の意向を見極めること」てなことになるんでしょうか。
確かに「ほとんどの大学が手を挙げ、または挙げざるえない状況に立たされた」という実情があるにせよ、自分たちの本来の独自性、キャパシティ、学問の追及や学生の教育、そして地域密着なんてものよりも、ここでは行政の動向こそが経営の最優先事項。そこに多額の資金を投入できるところだけが模範的な大学としてさらに研究資金をゲットして行く。
いや、投入しても回収できていない大学だって多いんだろうけど。
そしてそこに介在してくる経営コンサルタントなる人々。

医療機関の経営

などという話は、医療業界においても同じようなものだ。
診療報酬で行政に首根っこを押さえられている医療機関にとっては、厚労省の意向に沿うことこそが経営。自分たちの本来の独自性、キャパシティ、そして地域密着なんてものよりも、ここでは行政の動向こそが経営の最優先事項。
どんなに高齢者が多くて療養病床が必要であろうとも、厚労省が削減するっていうんだから仕方がない。
ついでに最近では医療機能評価機構の意向に沿うことも重要。
そしてそこに介在してくる経営コンサルタントなる人々。


学問も医療も、どちらも確かに市場競争には適さず、また、先生方が経営まで行っているという点では似ている点が多いのかもしれません。

医療クラークの導入の話

ここでちょっと話はそれるんですが、先日、医療クラークの導入についても「十分な診療報酬が与えられていないことを理由に普及が進まない」という話をテレビでみました。
ここでの経営判断も、自分たちの本来の業務に着目して必要性を判断しているわけではなく、診療報酬を根拠に思考しているわけで、本当に必要でしかも業務の効率化が図れるのであれば、さっさと導入しちゃえばいいと思うんだけど。
そんなに人件費が厳しいのなら、この際無駄な事務員や役職者を削減して。


だいたいさぁ、「診療報酬が云々」とかいう割には、割の合わない情報システム導入に莫大な資金を投入してるんだからさあ。


ちなみにキーパンチャー的なクラークばかりを増やしたって根本的な問題解決にはならないんだろうとは思っていますけど。

そして新たな厚労省の話題

またしても制度が変わるかもしれない。

舛添厚生労働相は20日午前、75歳以上が対象の後期高齢者医療制度(後期医療)について、「どんなに論理的にいい制度でも国民に支持されなければ長期に維持できない。政権も代わる時期でもあり、じっくり問題点を洗い出す」と話し、次期内閣では抜本的に制度を見直す必要があるとの考えを表明した。TBSのテレビ番組で語った。
http://www.asahi.com/politics/update/0920/TKY200809200065.html


面倒くさいことだ。また行政に振り回される。同じ行政でも地方自治体も振り回されるんだろうけど。
でも駄目な制度ならやっぱり改めたほうがいい。
舛添厚生労働相については、医療関係者が厚労相したりするよりも、舛添さんの方がいいじゃん、て思ってます。
そういえば看護師が法務大臣を務められたことがあったけど、あれは酷かったよな、ってそれはまた違う話。