背後から密かに忍び寄り、皆がハッと気がついたら既にシステムが組織に浸透していた、というのが私の理想です。
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うちの職場では1年に1回、「自己目標設定書」というものを書くことになっています。
紙で。
私は、こういうものを書くのが苦手なので、昨年のものを 丸写し 参考にしようと思い、探してみたものの、残念ながらみつかりませんでした。
そこでまずは記憶を頼りに、この1年を振り返ってみたのですが、昨年、目標としていたことは、
- 「とにかくデータベースを出現させること」 で、
- 「とりあえず作ってみて、まずは入力できるかどうか」
というレベルだったと思います。
まさに初心者で本当にこれが業務目標か、ってレベルでございます(笑)。
目標を立ててみたものの、当然のことながら具体的な提案など出来るわけもありません。
こんなちょうしなので、
「企画書を書いて上司を説得」という正攻法は無理。早々に撤退。
そこで昨年の私は、ゲリラ作戦に打って出ました。
だいたい、上司を説得したり委員会にプレゼンするなんて性に合わないのです。
で、コソコソと小さなデータベースを作ることから始めました。
それも大それたことを考えるのではなく、「今ある業務を整理してやろう」くらいの感覚です。
いきなり看護必要度やクリニカルパスに飛びついて業務を拡大させるのではなく、「今やっていることのレベルを引き上げよう」、という程度です。
そして、ひとつひとつ潰していくことにしました。
患者名簿から始まり、
- → 入退院履歴 → 転棟部屋移動履歴 → 病床稼動履歴 → 稼働率・平均在院日数集計
- → サマリー(退院、外来、看護、診療情報提供書)
- → 様々な記録用紙の印刷
といった感じです。
結果的には、最初から大規模なシステムを導入するよりも、小規模なデータベースを構築して次第に拡張していくことで、職場への浸透もスムーズに、また、職員へのストレスも最小限に抑えることが出来たのではないかと思います。
それに、小規模とはいえ、一つの足がかりが出来ると、それを土台にして様々なアイデアが拡がるもので、個々のデータベースを連結したり、ノウハウを他の分野にも転用したりと、漠然とした妄想が、次第に具体的で現実的なモノになってくるものです。とっかかりって大事だなと思います。
少なくとも、情報の一元化・共有化を会議室で議論してみても、データベース化へのノウハウといった具体的な手段を持たない限り、語っているだけでは時間の無駄なわけだし。
この1年で、職員の方々も、だいぶ入力作業に慣れていただけたようで、今年は、蓄積されたデータを元に「データベースから情報を検索・抽出する」という考え方を院内に浸透させたいと思っています。
焦るず、ゆっくり。
でも来年の今頃は、またひとつ上のステージへ上がりたい。