ぺーぺーぷーぷーな日々

Claris FileMaker と戯れる日々です。

老子:金谷治

自分が仕事をするうえで範としたい言葉があります。
要約すると、「作為を感じさせたら負け」、という意味の言葉だと解釈しているのですけど、ちょっと違うかな?
あるいは、「全てを未然に処理する」と解釈。

難(かた)きをその易(やす)きに図(はか)り、大をその細(さい)に為す。
天下の難事(なんじ)は必ず易きより作(おこ)り、天下の大事は必ず細より作る。
是(ここ)を以って聖人は終(つい)に大を為さず、故に能(よ)くその大を成す。

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むつかしいことは、それがまだやさしいうちによく考え、大事なことは、それがまだ小さいうちにうまく処理する。
世界の難問題も、必ずやさしいなんでもないことから起こり、世界の大事件も、必ず小さなちょっとしたことから起こるものだ。
それゆえ、聖人は決して大きなことをしたりはしない。だからこそ、その大きなことを成しとげられるのだ。
(「老子金谷治より ;老子道徳経下篇第六十三章)


さらに下記のような解説が続きます。

何もしないようにみえて、実は何もかもなしとげており、何事もないようにみえて、実はすべてのことが備わっている、そうしたありかたをわがふるまいとし、わが仕事としていくのである。
... 事態が困難になり、問題が重大になればどうしても大きな目だったことをしなければならない。そうなる前の小さい易しいうちに、さきの大事を見こして人の知らない手をうっていくのである。
(「老子金谷治より ;老子道徳経下篇第六十三章)

老子 (講談社学術文庫)

老子 (講談社学術文庫)

  • 作者:金谷 治
  • 発売日: 1997/04/10
  • メディア: 文庫


あくまでも自然に、作為を感じさせない。それが理想。


とはいえ。


普段の自分のの仕事内容を考えてみると、


FileMakerにせよデータベースにせよ、ITなんてものは作為のカタマリである、と言えなくもない。だがしかし。美しいシステムは、業務を本来の自然な姿、流れへと変える力をもつものであり、美しいシステムは、まるで昔からそのシステムが存在していたかのように浸透していくものだと思っています。


あくまでも自然に、作為を感じさせない。それが理想。まあ、そこが難しいんですけれども。


ハデな立ち居振る舞い、煩雑な手続き、カンカンガクガクの会議ではなく、淡々と仕事をこなせる人になりたい。