実は、恥ずかしながら、たびたび平均在院日数の管理の仕方についてご質問をいただいたりします。
なので多少なりとも私の方法を開示してみようかと思います。
(間違いがあったら、ぜひ教えてください。)
もちろん、私はFileMakerで数字を管理しています。
その前に、基本となる計算式の確認です。
平均在院日数 = 直近3ヶ月間の在院患者延べ日数
/ (3ヶ月間の新入棟患者数+新退棟患者数) ÷ 2
計算式の詳細については後述します。
なお、「計算対象としない患者」についてですが、私の勤務先ではほとんどこの点を考慮する必要がないため、普段の計算式には組み込んでありませんのでご了承ください。
シミュレート用の画面
下記は、私が実際に利用しているものを多少アレンジした画像です。
最上段
まず、最上段に並んでいるのが「算定期間の日付(3ヶ月間)」です。
ファイルを開くと同時に今日の日付を元に自動で日付がセットされるようにしています。
ピンク色の部分
画面中央の左側のピンク色の部分が、「現在までの稼働状況」。
ここに計算の基礎となる数字が入るわけですが、これらの数字は、あらかじめ他のファイルで管理されている
- 患者基本情報
- 入退院履歴(入退棟・病床移動履歴)
- 病床稼働履歴(算定履歴)
などを元に自動集計させています。
本当はこの部分が肝なのかもしれませんが、今回はこの部分についての説明は割愛させていただきます。
とりあえず、このピンク色の部分が埋まれば現在の平均在院日数が出るわけです。
緑色の部分
で、今度は右側の緑色の部分。
「基準をクリアするために、今月あとどれくらいのペースが必要か」ということをシミュレートします。
- 期日までの残日数(今日の日付を元に自動計算)
- 一日あたりの在院患者数
を設定すれば、ざっくりと「今回の想定病床稼働数」が算出できます。
(これが「分子」の部分に足し算されます。ちなみに「27」という数字は、うちの勤務先における一般病棟の病床数(満床数)です。)
次に、「必要な入退棟件数」を入力します。
つまりこれは予測の件数なのですが、私の場合、この件数は手入力です。
後は、「シミュレートする」ボタンを押せば、これらの数字をあてはめた平均在院日数が算出されます。
計算はスクリプト(フィールド設定)を使って数字をあてはめています。
自動で必要な入退棟件数を割り出す、というわけではなく、必要十分な件数になるまで件数の手入力と計算スクリプトを繰り返す、という作りなのですが、それほど面倒というわけでもありません。
もちろん、必要な件数を自動で割り出して表示する、という方法も可能だと思います。
また、同様のことは計算だけであればExcelでも可能だと思います。
入退院履歴の管理とかになると、表計算ソフトだと難しいかもしれません。
平均在院日数の計算式
(平成24年2月26日現在)
基本となる計算式については、
「5(2)基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知) 平成22年3月5日 保医発0305第2号(様式)」
の6ページ目に計算式が掲載されています。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken12/dl/index-044.pdf
「別表第二平均在院日数の計算対象としない患者」については、
「5(1)基本診療料の施設基準等の一部を改正する件(告示) 平成22年厚生労働省告示 第72号」
の105ページ目に掲載されています。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken12/dl/index-041.pdf
([https://sites.google.com/site/shinryoutensuu2010/ikasinryouhousyutensuhyou/sisetukizyun/20/02:title])