ぺーぺーぷーぷーな日々

Claris FileMaker と戯れる日々です。

PEG(胃ろう)についての記事をみて思ったこと

「でもね、鼻腔経管栄養が行われている患者さんが胃ろうに移行する流れを止めるのは難しいことではないか、と思うんですよ。」


と、これは私の友人の指摘なのですが。

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先日、CBニュースで「PEG(胃ろう)」に関する記事が2件出ていました。

http://www.cabrain.net/news/


記事の内容をざっくりと言えば、胃ろうを疑問視する内容であり、昨年、NHKのETV特集「食べなくても生きられる 胃ろうの功と罪」でも取り上げられたテーマです。


そしてこのテーマは、私が2007年にCBEL夏期集中講座を受講した際に扱われたテーマの一つであります。


あの時は、ある事例を元に、各グループが胃ろう造設の適否について倫理コンサルティングを行う、という設定で、その結果は下記のような感じでした。

結論からいくと、10組のグループのうち9組が「PEG造設支持」でした。
...これに対して、私の所属したグループだけが「造設すべきではない」という結論。
不思議と私たちのグループでは結論については全員一致でした。

高齢者へのPEG造設:CBEL受講回顧1 - ぺーぺーぷーぷーな日々


おまけにこの時は、「PEGにしない」ことについて刑事訴追の可能性まで示唆されたんで、そうなるとどうしようもない。


それにね。

「PEGにしてまで生きたくないよね」なんていう意思表示は、元気な人なら大概そう思いますよね。
比較的元気な頃の意思表示なんていうのは、いざ本当に必要な状況になったときは大抵本人は意思表示ができない状態なわけだし、事情変更の原則なんてことを考えたら実際どうなのよ。


といった話をしたような記憶があるのですが、あの頃からは状況が変わってきているんでしょうか。


それにしても、冒頭に提示した疑問


「鼻腔経管栄養が行われている患者さんが胃ろうに移行する流れを止めるのは難しいことではないか」


という疑問が、私には今でもあるんですよ。


つまり鼻腔栄養は必要な処置として、比較的速やかに実施される(語弊はあるのですが)。
だがしかし、その状態が続くとなると患者にとっては苦痛も大きくて誤嚥性肺炎の危険も伴う。
そうなると、この鼻腔栄養という状態を続けるよりは、明らかに胃ろうにした方が患者への負担は少なかろう、と判断しても仕方ないんじゃないか、と。


もちろん、経口摂取を目指したリハビリ・計画なども経た上での判断という前提です。


鼻腔栄養と点滴につながれた患者を前にして、
胃ろうにするのか、そのままにするのか、もしくは鼻腔すらも外してしまうのか。


人工呼吸器を外すのとは、ちょっと違う判断に迫られることになる。


私、2007年のCBELでの演習の際には胃ろう造設に反対しましたが、現在は逆に、ちょっと分からない。
というよりも、胃ろう以前に鼻腔栄養実施の段階でもう少し悩め、ってところでしょうか。