ぺーぺーぷーぷーな日々

Claris FileMaker と戯れる日々です。

医療従事者の感染に対する補償

さすがに京都大学の名前をみると、個人的には安心してしまいました。


それはさておき、医療従事者が業務中に新型インフルエンザに感染した場合の補償については、やはり要望、検討対象になっていたようです。

関係団体側は、医療従事者に対する感染対策や補償の充実、適切な情報提供や体制整備などを強く要望。
舛添厚労相も「どういった形で補償制度を拡充できるか検討したい。皆さん方のいいアイデアをいただければと思う」と応じた。
:鹿児島県医師会FAXニュース 平成21年5月19日(火)(メディファクスより)


とりあえず業務上での「労災」については何らかの対応策がありえそうです。というか期待します。

労働災害における使用者の補償責任

実際に「医療従事者が業務中に新型インフルエンザに感染した場合の労災認定」については、必要性が高いとはいえ面倒な面があることも事実だと思いまが、まずは自分の勉強を兼ねて、原則だけ簡単に確認しておきたいと思います。間違っていたら教えてください。


で、早速ですが、
労働基準法上、労働災害については使用者が無過失でも補償責任を負う、というのが原則です。


一般法としての民法での損害賠償としては、

がありますが、民法の特別法となる労働基準法においては、業務上の災害補償は使用者の故意過失を問わない無過失責任となっています。
民法より労働基準法の方が労働者にさらに手厚い(使用者に厳しい)というわけです。


この使用者の補償責任を肩代わりしてくれるのが労働者災害補償保険法ということになります。
でも全部肩代わりしてくれる、というわけではありません。
例えば、3日分の休業補償とか、そもそも労災が不支給になったら一般法の民法に立ち返って損害賠償請求されるとか、、、いろいろあるわけですが、詳しくは割愛します。すみません。


また使用者は、労働災害が発生した場合には、「労働者死傷病報告」を提出することになっています(労働安全衛生法第100条、労働安全衛生規則第97条)。

労働者が労働災害により負傷した場合などには、休業補償給付などの労災保険給付の請求を労働基準監督署長あて行ってください。 なお、休業4日未満の労働災害については、労災保険によってではなく、使用者が労働者に対し、休業補償を行わなければならないことになっています。 一方、事業者は、労働災害などによって労働者が死傷した場合には、労働者死傷病報告(休業4日以上の場合には遅滞なく、休業4日未満の場合には3か月ごとに)を労働基準監督署長あて提出しなければなりません。

「労災かくし」は犯罪です。|厚生労働省


なんだか今日も結論なしの尻切れエントリーなのですが、この辺で。


以下、条文。

債務不履行による損害賠償)
第四百十五条  債務者がその債務の本旨に従った履行をしないときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。債務者の責めに帰すべき事由によって履行をすることができなくなったときも、同様とする。

  • -

不法行為による損害賠償)
第七百九条  故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/M29/M29HO089.html

第八章 災害補償
(療養補償)
第七十五条  労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかつた場合においては、使用者は、その費用で必要な療養を行い、又は必要な療養の費用を負担しなければならない。

  • -

(休業補償)
第七十六条  労働者が前条の規定による療養のため、労働することができないために賃金を受けない場合においては、使用者は、労働者の療養中平均賃金の百分の六十の休業補償を行わなければならない。

  • -

(遺族補償)
第七十九条  労働者が業務上死亡した場合においては、使用者は、遺族に対して、平均賃金の千日分の遺族補償を行わなければならない。

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S22/S22HO049.html

(他の法律との関係)
第八十四条  この法律に規定する災害補償の事由について、労働者災害補償保険法 (昭和二十二年法律第五十号)又は厚生労働省令で指定する法令に基づいてこの法律の災害補償に相当する給付が行なわれるべきものである場合においては、使用者は、補償の責を免れる。

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S22/S22HO049.html