ぺーぺーぷーぷーな日々

Claris FileMaker と戯れる日々です。

医療情報システムの業者への丸投げや囲い込みから脱却したいものです。

先日、日経メディカルオンラインの「医療とIT」のコーナーに、吉田 茂氏 (名古屋大学医学部附属病院 医療経営管理部副部長)のインタビューが掲載されていました。


事例研究:名古屋大学医学部附属病院:日経メディカル


FileMakerの導入事例としても興味深く拝見させていただいたのですが、同氏の記事を改めて見つけたので、ちょっと引用。

現在の電子カルテシステムは、旧国立の大学病院の研究者にITベンダーが協力する形で開発が進められてきたのは周知の事実です。研究開発は独自性があってこそ認められることであり、ベンダーも優位性を出すために独自性を求めたという利害一致の結果、互換性のないさまざまなシステムが登場したといえます。電子カルテシステムが高額なものになったのも、研究開発者の予算獲得力を背景に、開発費として多額を注ぎ込んだ結果といってもいいでしょう。
医療者がシステムづくりに取り組んでこそ医療の質に貢献する | 日経 xTECH(クロステック)


なるほどな、と頷ける点がいくつかありました。そしてこれは、決して過去の話ではなく、現在もこの状況を引きずっている。
そもそも、多額の予算と高額なシステム、加えて互換性のない閉じられたシステムなんてものに私は嫌悪感を感じてしまうわけで、自ら変更を加えられない外注のシステムなんて、、、と思ったりするんですが、それはまた別の話。


もう一つ、同記事から引用。

レセコンは医療事務の効率化であり、オーダリングシステムも部門を主体にした効率化のための受発注システムであり、いずれも発生源入力によって診療現場に負担を強いる仕組みで、臨床に携わるスタッフの業務効率化にも、医療の質の向上にも、なんら役に立つものではありませんでした。


そうか! そういうことか!(以下略)。


ここぞとばかりに営業をかけて囲い込みを図る業者。
かたや、丸投げすればいい(技術がないからするしかない)と思っていた医療者側。
丸投げと囲い込みの相乗効果により、レセコンのデータは名簿としてすらも医療現場には反映されない、なんてことになったり。
そもそも、経営の根幹に係る部分を簡単に既成のシステムに丸投げしてしまう、というのは、さすが全国統一された保険診療、ってことになるんでしょうか。
当然、「我々の仕事は、そういったルーチンワークの先にある」と経営者はいうのだろうけど。 ホントか?


まぁ、それはさておき。


話を戻して、名古屋大学ではFileMakerがバリバリ稼動しているようで、実に面白そう。このようにFileMakerが運用されている現場を、一度でいいから見てみたいものです。


ちなみに、FileMakerの本家のサイトでは、先日、大阪医療センターの導入事例が紹介されていました。
また、ユーザー導入事例にも、病院の例はたくさん紹介されています。


あらゆるタスクに対応するカスタム App の作成 | FileMaker — An Apple Subsidiary
あらゆるタスクに対応するカスタム App の作成 | FileMaker — An Apple Subsidiary


情報インフラの整備に自分達で取り組んでいる施設や人々。
こういうところに自分から連絡を取って見学させてもらうというのもアリなんだろうけど。


度胸がない(笑)。