詳細なレポートとはいきませんが、第一回九山地区臨床倫理集中講座の全体的な印象を書き留めておきます。
今回の講座の母体は「臨床倫理支援・教育・対話促進プロジェクト」ということになるのでしょうか。メンバーも一部重なっていらっしゃるようだし。
目指すところはCBELと同じだろうと思いますが、強調されたのは「臨床倫理」ということらしい。
「臨床倫理支援・教育・対話促進プロジェクト」ではコンサルテーションの依頼も受け付けていらっしゃるようです。
臨床倫理支援・教育・対話促進プロジェクト > コンサルテーションの依頼フォーム
カリキュラムの抜粋は最後に掲載しておきますが、
- 1コマ100分でセッションが組まれ、
- 各セッションにおいて全体講義とスモールグループディスカッションが行われる
という構成。
以下、ちょいと欲求不満な感想ばかりになってしまったんですが。
時間が足りない?
どうしてもCBELと比べてしまうんだけど、今回のカリキュラムでは、やっぱり時間が足りないと思う。
各セッションごとに別々の事例やテーマが与えられて、グループディスカッションが行われるために、どうしても慌しくなってしまう。
各セッション共通で一つのテーマを設定し、じっくり掘り下げた方がよかったように思います。
って、それは結局CBELのカリキュラムなんだけど。
基礎理論の時間が短い
それから、もう少し理論面の講義をして欲しかった。
などの、もう少し丁寧な説明が必要だったのではないかと思います。
この点は、板井先生に2コマくらい担当して頑張って欲しかった。
4分割表やプロジェクトチームで作成された「臨床倫理チェックリスト」などのツールも紹介されたのですが、理論の使い方、筋道の立て方などが、順を追ってディスカッションに取り入れられるように工夫していただかないと、すぐにグループディスカッションに入る、というのは、結局、フリートークになりかねない。
これじゃ、普段の会議と一緒じゃないか。
なんて書いてると、不満ばっかりなんだけど。
これは、うっかりCBELに参加してしまったがゆえの物足りなさ、ということにして欲しい。
でも、まだ1回目だし。
そういえば2回目はどういう構成になるんだろう。継続なのか、新規参加者募集なのか。
今回のカリキュラム(敬称略です)
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- セッション1(9:30〜11:10):板井孝壱郎
- セッション2(11:20〜13:00):高橋隆雄
- LG:主な倫理理論とわかりやすいメタ倫理
- SG:「あなたは結果主義者、それとも義務論者?」
- セッション3(14:00〜15:40):白浜雅司
- LG:ジャンセンの四分割法による臨床倫理アプローチ
- SG:ケース分析:在宅ケース
- セッション4(15:50〜17:30):浅井篤
- LG:臨床倫理チェックリストを用いた「2−ステップ・ケース・アプローチ」
- SG:ケース分析:遺伝子カウンセリングにおける守秘義務事例
- セッション5(9:00〜10:40):各論(1)北村俊則
- LG:医療における自己決定と治療拒否権、治療同意判断能力
- SG:「患者が必要な医療を拒否したとき医療者はどう対応するべきか」
- セッション6(10:50〜12:30):各論(2)谷田憲俊
- LG:事前指示、代行判断と終末期医療
- SG:「この臨死昏睡患者の方針は誰が決める?」
- セッション7(13:30〜14:30):「ちょっと一息:映画は楽しい考える糧」
- 「看護師が大きな役割を果たす映画作品を観ながら」
- セッション8(14:40〜16:20):各論(3)尾藤誠司:
- LG:プライマリケアの倫理的問題
- SG:「医学的に不適切な要求」