子どもの頃から、「将来何になりたいの?」ときかれるのが苦痛でした。
- 作者: マックスヴェーバー,大塚久雄
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1989/01/17
- メディア: 文庫
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私は、仕事に対して、あまり妄想を持たないことにしています。
仕事はそもそも食うための手段だ、ということを第一義的に考えるようにしています。
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先週末、ふと思い出して、久々に「プロ倫」を読んでみました。
詳しい理解はさておき、私がこの本を読んで強く印象に残っているのは、
「天職」なんていう概念は、作られたものだ。
ということ。
もっとも、M.ヴェーバーは
「だから天職なんてものは嘘っぱちだ」
と言っているわけではなく、論考の最後の文に
精神のない専門人、心情のない享楽人。この無のものは、人間性のかつて達したことのない段階にまですでにのぼりつめた、と自惚れるだろう。
と書いたりして、金儲け主義に走る資本主義社会を嘆いているわけだから、
むしろ、M.ヴェーバーは「天職」概念が好きなのかもしれない。
そういえば「職業としての政治」の最後には、
どんな事態に直面しても「それにもかかわらず!」と言い切る自身のある人間。そういう人間だけが政治への「天職」を持つ。
〜「職業としての政治」〜
と述べているくらいだから、やっぱりM.ヴェーバーは「天職」概念が好きなのかもしれない。
結構、精神論が好きだったりして。
でも、この就職難の時代、就職にありつけない人達にとって、「天職」って概念は重荷になりかねない。
職を選ぶなんてことより、まずは「食うこと」から考えなきゃならない。
「やりたいこと」を探して自分探しの旅に出てしまうと、なかなか帰って来られない、なんてことになりかねない。
「将来、何になりたいの?」
と子どもに無邪気に質問する前に、その負の面も考えるべきだろうと思うのです。
M.ヴェーバーの主張とは全く関係ない結論ですけど。
蛇足
ちなみに今日からブログのタイトルを変えてみました。